〜 あらすじ 〜

日本の年間行方不明者数を知っているか?

年間の行方不明者数は、数千人……。

うちの50%は、
借金苦で、止むを得ず行方をくらまし、
ヒッソリと息を潜め暮らしている奴らだ。
まぁ、この長引く不況では仕方が無い。

26%は、
不慮の事故等で死亡し身元が確認できない、
警察で資料として紙切れ一枚になった奴ら。

20%は、
誘拐や殺人、ヤクザの抗争などに巻き込まれた共存戦の敗者だ。
つまり今は、神に召され土になったか魚の餌になっている。

問題は残りの4%……。

『妖魔』に喰われた奴と、
自らの肉体とココロを『妖魔』に捧げた人間だ。

『妖魔』は、厄介な魔物だ。
人間の男の肉体を喰らい、
若い女の生気を好む。

バブル時代に多くのビルが建設され、
切り倒された神木などに封殺されていた『妖魔』が、
この現代の日本に蘇っている。

いつ多くの人間を巻き込む悲劇が起きても、
なんら不思議ではない……。

*     *     *

俺は、星野 銀河。
『妖魔』を闇にかえす退魔師だ。

蝉しぐれが響く暑い日、
そんな俺の事務所兼住居に一本の電話がかかる。
それは、従姉妹である『樫原 薫』からの助けを求める声だった。

『妖魔』が封殺されていたとおもわれる洋館に
閉じ込められた少女達を救い出す為、
俺は愛車のアクセルを深く踏みこんだ……。

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